ISO9001認証取得時は、品質向上を目指して、全体的にシステムが過剰スペックとなっていることが大変多く見受けられます。形骸化し、儲かった実感がしないのは、過剰スペックのまま放置され、改善されないことが主な原因として挙げられます。
認証取得時は、ISOのマネジメントシステムが重い仕組みとなりがちです。見落としがちなことは、現場の作業手順がしっくりいっていないケースです。なぜ、そのまま放置され、改善が行われないのでしょうか。それはISO事務局が規格からの逸脱による不適合を恐れ、また品質保証部は、不良が増えては困るため、どうしても改善活動に消極的になるからなのです。
さしあたって、ISO認証取得時に新たに決めた手順を見直しましょう。意外と根拠もなく決められたルールがあります。ある金属加工メーカーでは、出荷前洗浄をして出荷する製品があり、洗浄液を1週間に1回取り替えることが手順化されていました。しかしながら、1週間に1回洗浄液を取り替ることには何の根拠もなく、4週間に1回と頻度を落としても品質に何の影響もないことがわかりました。

■継続的改善なんてとても無理! (トヨタに学ぼう)

継続的改善を推進するにあたり重要なことは、改善提案が出る仕組みを作ることです。トヨタ自動車さんにヒアリングをした際、まず驚いたことは、全世界で、年間60万件の改善提案が書面で提出されるという事実です。改善活動がトヨタの伝統的な社風となっており、提案された改善アイディアは否定しない、また実践してから採用を検討するそうです。改善結提案が良ければ、貢献度に応じて評価されるなど、改善が行われる様々な仕組みがあります。ISOでも内部監査、是正処置、予防処置、分析など、改善活動を後押しするメニューがあるのです。このような仕組みを活用しないて手はありません。